必要

ほんまにしんどい人には

「がんばって」とか
「大丈夫」やとか

言ってくれる大切な人がおってくれたら
救われるんやろう。


言葉そのものには
あんまり意味はない。


全て大丈夫じゃないからしんどい。


自分の音楽は、そういう大切な人の
一言には遠く及ばんくても
少しでも寄り添える存在でありたい。

理想ね。


共感が必要な人のために
どん底で寄り添ってくれるなにか。

それ以下でも、それ以上でもない。


自分の音楽はそういう存在でありたいと
そういう理想、そういう風に思っとる。


「全て大丈夫」

よりむしろ

「全て終わってしまった」

っていう歌詞をかきたい。


それでも音楽は助けになる。
いいメロディは心に溶ける。


もちろん、
「全て大丈夫」

が聞きたい人もおる。

「全て大丈夫」

が聞きたいときもある。


その役割を果たしてくれるいい音楽も
世の中にたくさんある。


おれは
「全て終わってしまった」
と
歌えるアーティストの一人になりたい。

それが欲しい人のために。

音楽は助けになるから。



理想は大事に。

納豆とロマン

納豆を混ぜるとき

タレを先に入れるなんて邪道、
通は混ぜてからタレを入れる

という話があり

どっちが正しいのか

納豆協同組合の回答は

正しい混ぜかたなんて言わない、
それはロマンだから

という。

そんな話をきいた。

素敵。そもそも納豆協同組合ってなに。
ロマンやね。

話少しそれるけど

勉強は将来いいとこに

就職するために必要なもの

とか

あるいは

勉強なんて役に立たないもの、とか
つまらないもの、とか

そういうイメージはまちがっとると思う。

学問はなによりクールやぞ。

男やからね、
人生で一番大事なもの、
一番求めるものはやっぱりロマンやろう。

おれは音楽にロマンを感じるか。

感じるかどうかでいうと否な気がする。

好きすぎて取り憑かれてしまったけど
ロマンとは違う。

おれが大学4年間で一番学んだことは

学問にこそ最もロマンがある。と思う。

もし子供ができたら学者になってほしい。

音楽もいい。スポーツもいい。
海賊とかもいいんかしらんけど

やけど突き詰めることに一番ロマンがあるのは
学問の世界やとおもう。

ロマンっていうのは
なにかを変態的なレベルまで
突き詰めることやと思う。

残念ながらおれが自分の音楽で目指しているのは

変態じゃない。究極に普遍的な個性。

さておき

語学でもいい。文学でもいい。科学でもいい。

納豆でもいい。

ふつうの人がふつうに生活していたら
興味が届くはずのないところを突き詰める
これがロマンやと思う。

おれの場合は大学4年間かけて

貴重なキャンパスライフをろくに満喫も
せんかったことに多少の後悔はあるけど

言葉の発音のメカニズムを極めようとしたことに
価値があった。

発音には、

発音することは不可能やけど概念として存在する音と
実際に発せられる音の
二種類があると、

そんな強烈につまらなさそうなことに

興味を惹かれすぎて日々学んでいったある日ふと

自分がなぜ日本語を完全な発音で話せるのに
英語を完全な発音で話せないのか
わからんくなって何も考えずに言葉を話すことが
できんくなった時期があった。

そのときふと、この境地はもはや変態やと思った。

そして、とてつもないロマンを感じた。

音楽が人生で一番でかかったから
大学を卒業したらそれ以上そのロマンを
追いかけることはなくなったけど。

きっと理系でなにか追及してきた人はもっと
変態なんやろうなとも思う。

勉強なんてしなくていい！
とか
勉強なんて世の中に出たら役に立たない！
とか

好きじゃないな。

ロマンがなくて、もったいない。

子供ができたら勉強をして、
立派な変態になってほしい。

そしてまずおれは彼女がほしい。

そこ。